日本人と霊性
こんにちは。高畑吉宏です。
ちょっと大層なテーマです。
世界保健機関(WHO)の代替案では
WHO憲章全体の見直し作業の中で、「健康」の定義を「完全な肉体的(physical)、精神的(mental)、Spiritual及び社会的(social)福祉のDynamicな状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と健康の定義をしています。
ここで一番理解されにくいのは、スピリチュアルという概念でないでしょうか?
この代替案を支持している私は、スピリチュアルということに直接的に触れることを避けてきました。
入口・切り出し(アプローチ)のむずかしさもその要因の1つでした。
また私の文章力のせいもありました。
今ではスピリチュアルという言葉は、その名を冠した書籍コーナーもあり、ハウツー的な本もたくさん並んでいます。
話をフォーカスするために、スピリチュアル=來世、あの世ではありませんが、ここでは、スピリチュアル=來世、あの世観の側面から、私たち日本人の行動からまずはデータからみてみましょう。
以下の数値・データはNHK放送文化研究所によるものです。
データは旧い(2008年)が、死後の世界を信じている者は38%で「信じない人」は33%で、信じる人が上回っているようだ。
この時点では若者のほうが、信じている傾向多いとなっています。
さらに「死後の世界」はどうかというと、2010年の朝日新聞の調査では、「あの世はある」が49%で、「ない」(43%)を同様に上回っている。
また、2008年の読売新聞の調査では
・生まれ変わってくる・・・・・・29.8%」
・別の世界に行く・・・・・・・・23.8%
・墓場にいる・・・・・・・・・・・9.9%
・消滅する・・・・・・・・・・・・17.6%
・その他・・・・・・・・・・・・・0.9%
・魂は存在しない・・・・・・・・・9.0%
・答えない・・・・・・・・・・・・9.1%
となっています。
上記のデータとは別に私たちの習慣行動を振り返って見ると、お盆やお正月に約8割近くお墓参りしております。
※ただし、コロナ禍の今は帰省も自粛されていますが…。
これはなぜでしょうか?
「魂は墓場にいる・・・9.9%」がわずかにも関わらず……。
一つには、「そういうものだ」と習俗化・習慣化していることが考えられます。
当然、地域・地方の習俗も生きている地域もあります。
また日本人の曖昧さ、良い意味では寛大性もあります。
たとえば、結婚式は(キリスト教徒でもないのに)教会で挙げて、お正月には神社へ初詣、葬祭は仏教(仏式)という人も実に多いのです。
このような行動様式は欧米人には理解不能と言われています。
とは言え、ことお墓に関しては、少子高齢化の現実にあって、新たな課題に逢着しています。
ことに大都市圏では、課題性が多く、お墓の多様化がありますし、お墓の守り手が高齢化し、お墓の整理業者は流行る昨今です。
地方においても同様です。
お墓の守りの担い手が同様に居なくなっている状態です。
お墓守りをしている本人の高齢化が進み、いわゆる、゛後継ぎ“が居ない状況で、なかには限界集落化してところもあります。
こうした外部諸事情をも踏まえておかなければならない時代に生きているのが私たちです。
自ずとスピリチュアルの世界に目を向けていかざるを得ないのではないでしょうか?
本稿のテーマとは少し異なるかも知れませんが、東京・大阪圏への大都市への人口集中が始まったのは、そんなに古くはありません。
たとえば、親子3代に遡れば、たいてい自分の故郷がある人が多いのです。
ただし、両親が大都市で暮らし、その中で育てられた子どもたちは、両親が成育下出生地のことには縁が乏しくなるのが通常です。
かくして故郷なき、子どもたちとなってきております。
これもさみしさに繋がります。
また実家の両親の死亡によって、帰省をしなくなっている人も多く居ます。
話はズレますが、
今、第一次産業の農業・漁業業者と消費者を直接つながり、結び付けるビジネスもあります。
そうすると、生産者と消費者の顔が見えて、その生産物(お魚を含む)の調理法も教えてくれるようになっていて、相互の繋がりができ、中には、生産者にとって孫のような感じになったり、実際、生産者のお宅に伺ったりしております。
大都市圏に住む消費者にとって、福音なのかも知れません。
一律的なモノとモノの販売であるスーパー・大量販売店よりも、やや高いようですが、今の状況では、これもやむを得ない状況なのです。
ともあれ、このような顔と顔が繋がる社会こそ、大切なことだと思っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。