良き「親業」を身に付けましょう!
こんにちは。高畑吉宏です。
昨日、スーパーに行くと、入り口のところのコーナーに友人の心理カウンセラーの石原加受子さんの本を発見。しばし、以前の交流が頭をよぎりました。
さて今回は親子関係の問題を取り上げたいと思います。
■良き”親業″を身に付けよう!
夫婦関係同様、親子・兄弟(姉妹)関係も、対処法を間違えると、軋轢、葛藤、憤り、背反・対立となり疎遠化につながっていくことにもなり兼ねません。
とりわけ、学業期(小・中高校生等)のお子さんをお持ちの方は、日々、ストレスの原因になっている方も多いでしょう。
ある意味、生半可に美人で成績もそこそこで育っている、たとえば、女子中学生を例にしてみましょう。
このような娘さんは、明るく元気で快活な子のイメージですが、友人や教師や親の前では、明るく元気な姿を演じなければなりません。
他者志向であったりするのです。
事実、ある心理学を専門とする大学教授が、中学生のクラスで、
「自殺したいと思うことがある?」と質問したところ、
何人かの子どもが、
「ある」と答えたそうです。
「それは、どのような時?」と尋ねたら、
「母親と話した時」と答えたと言います。
と娘さんは答えたと言います。
「お母さん、今日ね、学校でこんなことがあったの。……」
すると母、たとえば、こん言い方をします。
「あなたがしっかりしないからですよ」
「あなたならできるじゃないの?」等々…。
このようなやり取りでは、子どもは弱音を吐く機会を失ってしまいます。
このような対応の例示としては、
ある心理学では、5つのことを挙げています。
①完全であれ
→このメッセージを受けると、とても弱音など吐くわけ
にはいきません。
②他人(自分)を喜ばせて
→母親、父親、家族からの期待が本人のプレッシャーに
なっていきます。
③一生懸命努力せよ
→本人は、本人なりにあらん限りの努力しているの
に…と思っているかも知れません。
④強くあれ
→「強くできていないから、今、相談しているんじゃな
いの?」と受け取られる場合もあり得ます。
⑤急げ!
→”急げ“のメッセージは、相手(子ども)の感情を切り
捨てて、効率主義的に受け取られる場合も多いので
す。
かくして普通の“イイ子”は、教師、両親、友人等の他者志向からの自己形成であったりします。
冒頭に紹介した石川加受子さんは、「自分中心心理学」を唱えていらっしゃているのも、この辺にあるようです。
このような自己像は、もろい面があります。欧米では罪の意識、日本では゛恥“の文化として知られています。
俗にいう“同調圧力”の中に多く私たちは生きているのですネ。親本人も、それに気づいていない場合が多々あります。
自己志向(内向化)によって、いつかは挫折をも乗り越えて、自己形成し、このような文脈の中で、自己実現をしていくことによって、セルフアイデンティティが確立していくことが本来のありようではないでしょうか?
アサガオが咲くためには、冷たい夜の時間も必要なのです。
親は、子どもの沿った伴走者であり、もっとも身近な良き理解者、相談者であるのが望ましい立ち位置なのでしょう。
■谷川俊太郎さんのことば
ひつつのおとに
ひとつのこえに
みみをすますことが、
もうひとつのおとに
もうひとつのこえに
みみをふさぐことに
ならないように
─この言葉は自分自身と相手へ向かう心的態度として言える言葉だと思うのです。
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