シニア世代と孤独
こんにちは。
高畑吉宏です。
団塊の世代の敏雄は、改めて今、住んでいる近隣の生活環境を考えてみました。この地に一戸建てを購入し、家族と共に引っ越して15年は経つが、自分と同年代のシニアの人と親しく話をしたのは、ただ1回のみだけだった。
それも地区の集会所の掃除当番の班に当たった時、10分間位、同世代のシニアの方と話続けた時だけだ。
それ以外の記憶はないのです。
時折、見受けるシニア世代の人達の表情は、一様に無表情で、顔が合えば、あいさつのみで終わる。中には、そのあいさつ自体が控えめな人も居る。
小学校の生徒の遊びを見ていると、友達同士、表情豊かで笑いに満ちているのをたまに見ることが出来たりする。
しかし、それもごくまれである。
近隣の世帯は13軒あるが、この中で子ども居る家庭は、わずか3世帯。そのほかに小さなアパートが2軒、1軒は老夫婦ともどこかに入院中のせいか家を閉じたまま‥‥。
後はシニア世代か、超高齢者世帯のいずれかで、まるで超高齢少子化社会の縮図のようでもあると、敏雄は感じました。
一回り以上、年下の同窓の島津は、2年間、外国人達と同じ宿舎に居たことがあった。
当時、独身の彼は職場と宿舎が同一で、彼は4階に住み、2階と3階は外国人ばかりであった。
英語で日常会話は出来たものの、表情を豊かにしなければ意思疎通はなかなか難しい。
この体験から島津は、コミュニケーション力に磨きを付けたようである。
これらの体験談から団塊の世代の敏雄は、ユーモアと笑いについては、学んだこともあった。
事実、島津の紹介で、エジプト人、イエーメン人、インド人、アラブ人と同席し、雑談したこともあったし、エジプト人、アラブ人を自宅に招き、泊めたこともあった。
これらの経験から敏雄も異文化の人達との交流も少なからず、体感したことがあった。
彼らは、言葉は通じなくとも(お互いセカンドランゲージである)、そのせいか、そのゆえか、外国人の人を見抜く“勘”が働いているようで、驚くこともあった。
孤独担当大臣
それらを斟酌してみると、高齢者の無表情化は、孤立化・孤独化と結びつく気がしてならない。
ところが、敏雄は、島津からイギリスでは「孤独担当大臣」という大臣が出来たことを知った。
「えっ、『孤独担当大臣』?」と敏雄は驚愕した。
それは、メイ首相が新設した大臣ポストであった。メイ首相は、『多くの人々にとって「孤独は現代社会とって生活の悲しい現実である」』と指摘したのである。
島津によれば、そのイギリスでの政策は必ずしも、高齢者に限ったものではなく、子ども達の「孤独」も対象になっているとのことだった。
シニア世代の世代も親世代も子どもも「孤独」であることに向けられた大臣ポストであると。
だとすると、「孤独」は日本だけの問題ではなく、少なくとも、先進国では深刻な社会問題であろう、と敏雄は思った。
良くも悪くも、先進国の中で、一番と言われている超高齢化の加速化が進んでいるわが国は、もっとも孤独化が進展しているのだと敏雄は思い至った次第であった。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。